中小企業の化学物質管理とSDSの使い方|対象判定からリスクアセスメントまで

中小企業の化学物質管理とSDSの活用方法を解説する図解。工場で安全衛生担当者がSDSを確認し、製品の棚卸し、対象判定、管理者選任、リスクアセスメント、保護具による対策、記録・教育までの実務手順を示している。 安全衛生

「洗浄剤や塗料のSDSが届いたけれど、どこを読めばよいのか」「従業員が少ない会社でも化学物質管理者が必要なのか」。安全衛生を兼務する人事担当者にとって、化学物質管理は、専門用語と制度が重なり、着手しにくい業務です。

まず行うのは、職場で使う製品を洗い出し、SDSと実際の作業を照合することです。そのうえで、対象となる制度、担当者、必要な対策と記録を整理します。SDSを集めるだけでは、管理は完了しません。

この記事では、化学物質を購入して使用する中小企業を中心に、対象判定からリスクアセスメント、対策、見直しまでの手順を説明します。製造・販売・他社への提供を行う場合には、供給側としての義務も別途確認してください。

制度確認日:2026年10月14日。本文では「法定義務」「努力義務」「公的推奨」「ぼっち人事LABの実務提案」を区別しています。

化学物質管理は、会社の人数より「使う製品と作業」で確認する

工場以外でも、洗浄剤・接着剤・塗料などを確認する

化学物質管理の対象は、化学メーカーだけではありません。清掃、印刷、塗装、修理、研究など、さまざまな仕事で化学製品が使われます。

法令上、危険性・有害性の調査が必要な物を「リスクアセスメント対象物」といいます。これを製造・取り扱う事業場などでは、業種や従業員数にかかわらず、化学物質管理者の選任が必要です。「50人未満だから対象外」という判断はできません。滋賀労働局の化学物質管理資料

一方、主として一般消費者の生活の用に供される製品には、リスクアセスメントの適用除外があります。ただし、製品名や「市販品」という理由だけで判定せず、製品の用途と使用実態を確認しましょう。判断に迷う場合は、供給者や労働基準監督署に確認します。

法定義務と努力義務を分ける

確認事項制度上の位置づけ使用する会社の確認ポイント
対象物のラベル表示・SDSによる通知対象物を譲渡・提供する側の法定義務購入品のラベルとSDSを照合。自社が供給する場合は通知義務も確認
対象物のリスクアセスメント法定義務製品の危険有害性に加え、実際の作業条件で評価
対象物へのばく露を最小限度にする措置法定義務吸入・皮膚接触などを減らす対策を実施
濃度基準値がある物質を扱う屋内作業場で、ばく露を基準値以下にすること法定義務該当物質・適用日・作業条件を確認
対象物以外の化学物質へのばく露を最小限度にすること努力義務対象外でも危険有害性を確認して対策を検討
製品台帳を作り、購買時にSDSを確認する社内ルールLABの実務提案法定対応を漏らさないための運用にする

「ばく露」は、化学物質を吸い込む、皮膚に触れるなどして、体がその物質にさらされることです。労働安全衛生法第57条~第57条の3、労働安全衛生規則第577条の2・第577条の3などに基づいて確認します。厚生労働省の規制概要、濃度基準値の制度説明

特定化学物質障害予防規則や有機溶剤中毒予防規則などで、作業主任者、設備、作業環境測定、特殊健康診断等が定められている場合、その対応も必要です。自律的な管理の導入によって、これらの規則が一律に不要になったわけではありません。厚生労働省・化学物質規制の総合案内

自社の対象判定は、製品台帳と最新のSDSから始める

1.職場で使う製品と作業を洗い出す

まず、現場と購買担当者に協力を依頼し、使用中・保管中の製品を一覧にします。人事担当者だけで、物質や作業の安全性を判断する必要はありません。

以下は、LABが提案する製品台帳の項目です。最初は手元の表計算ファイルで構いません。

記録項目確認する内容
製品名・メーカー容器、納品書、SDSの名称が一致するか
使用場所・用途どの部署で、何の作業に使うか
使用条件量、時間、頻度、温度、換気、噴霧・加熱の有無
SDS入手日、改訂日、保管先、供給者の連絡先
制度の対象判定リスクアセスメント、特別規則、濃度基準値、皮膚障害・がん原性関係
対応状況評価日、対策、担当者、見直しのきっかけ

製品の名前だけを一覧にせず、「どこで、どのように使うか」まで記録することが重要です。同じ製品でも、ふき取りと噴霧では、さらされ方が異なります。

2.SDSの適用法令・成分情報を確認する

SDSは、安全データシートの略称です。製品の危険有害性、取り扱い、保護具、応急措置などを伝える文書で、一般に16項目で構成されています。

対象判定では、まず第15項「適用法令」を確認します。続いて第3項「組成及び成分情報」にある物質名、CAS登録番号、含有量を確認します。CAS登録番号は、化学物質を識別するための番号です。

混合物は、対象成分を含むかだけでなく、物質ごとに定められた含有量の基準である「裾切値」も確認します。ラベルとSDSで基準が異なる場合があるため、「成分が少量だから対象外」と一括判断しないでください。厚生労働省・SDS関係Q&A

判定には、厚生労働省の最新の対象物質一覧を使用します。総合案内に掲載された一覧には、施行済みの物質と、2027年・2028年に施行される物質が別シートで収録されています。将来の対象物を現在の義務と混同しないよう、施行日まで確認しましょう。対象物質・裾切値一覧の掲載ページ

SDSが古い、不明な成分がある、法令欄の記載が一覧と食い違う場合は、供給者に最新版と判定の根拠を確認します。国のモデルSDSは参考資料として有用ですが、購入した混合製品のSDSの代わりにはしないでください。厚生労働省・モデルSDSの案内

化学物質管理者と保護具着用管理責任者を決める

化学物質管理者は、対象となる事業場ごとに選任する

化学物質管理者は、ラベル・SDS、リスクアセスメント、対策、教育、記録など、化学物質管理の技術的事項を管理する役割です。担当者に任命するだけでなく、仕事を進める権限を与え、氏名を関係労働者へ周知する必要があります。

法定義務として、選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任します。 対象物を製造する事業場では、所定の講習修了者または同等以上の能力があると認められる者から選任します。製造以外の事業場では、職務を担当するために必要な能力があると認められる者も選任できます。労働安全衛生規則第12条の5

製造以外の事業場であっても、専門的な講習等の受講は公的に推奨されています。「資格要件がない」と「知識がなくてもよい」は別です。また、販売用の製品化に伴う混合、希釈、小分けなども「製造」に該当する場合があります。自社で加工・調製している場合は、選任要件を確認してください。奈良労働局の説明資料、香川労働局の自主点検案内

保護具を対策に使う場合は、管理する責任者も必要

化学物質管理者を選任した事業者が、リスクアセスメントの結果に基づく措置として労働者に保護具を使用させる場合、保護具着用管理責任者の選任が必要です。

この責任者は、保護具の選択、適正な使用、保守管理を担当します。知識・経験があると認められる者から、選任すべき事由が生じてから14日以内に選任し、権限の付与と氏名の周知を行います。労働安全衛生規則第12条の6

LABの実務提案として、人事は選任・受講・周知・記録の管理、現場責任者は実際の作業条件と対策の確認を担当するなど、役割分担を明文化しましょう。衛生管理者や作業主任者がいる場合も、化学物質管理者としての役割を別途整理します。

SDSを受け取ったら、法令・危険性・対策・緊急対応を確認する

最初に読む項目を、自社の作業と結びつける

SDSは、最初から全項目を暗記するための資料ではありません。以下は、使用する会社向けにLABが提案する確認順です。

SDSの項目最初に確かめること自社の対応に結びつける
第1項 化学品及び会社情報/第16項 その他の情報製品名、推奨用途、供給者、改訂日容器と照合し、最新版か確認
第15項 適用法令/第3項 組成及び成分情報対象法令、物質名、含有量最新一覧で対象判定
第2項 危険有害性の要約/第11項 有害性情報引火、毒性、皮膚・眼の障害など想定する事故や健康影響を整理
第7項 取扱い及び保管上の注意換気、保管、混触防止など作業・保管場所を点検
第8項 ばく露防止及び保護措置濃度に関する情報、設備、保護具対策と保護具の具体的仕様を確認
第9項 物理的及び化学的性質/第10項 安定性及び反応性揮発性、引火性、反応する相手など加熱・噴霧・混合等の条件を確認
第4~6項 応急措置・火災時・漏出時の措置初動、避難、連絡、対応上の注意製品別の緊急対応を準備

この表はSDSの読み方を整理した実務提案であり、掲載した項目だけを読めば十分という意味ではありません。廃棄、輸送、環境影響なども、担当業務に応じて確認します。厚生労働省・ラベルでアクション

GHSラベルと、別容器で保管する際の表示を確認する

GHSは、化学品の危険有害性を共通の考え方で分類し、絵表示や「危険」「警告」などで伝える仕組みです。容器の絵表示だけでなく、危険有害性情報と注意書きを読み、SDSと対応させます。

対象物を別容器に移し替えて保管する場合などには、名称と人体に及ぼす作用を、表示・文書その他の方法で取り扱う労働者へ明示する義務があります。保管を伴わない作業中の一時的な小分け等とは、適用が異なります。厚生労働省・別容器保管に関する説明

LABの実務提案として、小分け容器と製品台帳・SDSが結びつくよう、製品名や管理番号を統一します。「透明な液体」「いつもの洗浄剤」という呼び方で管理しないことが、取り違えの防止につながります。

SDSの保存と更新を、担当者任せにしない

SDSは、現場の人が必要なときに確認できる場所で管理します。電子保存の場合は、閲覧権限や作業場所からのアクセスも確認してください。

供給側には、SDSの通知事項のうち「人体に及ぼす作用」を5年以内ごとに確認し、変更があるときは確認後1年以内に更新する義務があります。「SDSは5年ごとに必ず作り直す」「受け取った会社は5年まで確認不要」という制度ではありません。厚生労働省・SDS更新のQ&A

使用側では、購入品・作業条件の変更やSDS改訂をきっかけに、対象判定と対策を見直す運用を設けましょう。旧版を残す場合は、最新版と区別して保管することをLABは提案します。

リスクアセスメントは、作業ごとに評価して対策まで進める

対象物を新たに採用・変更するとき、作業方法・手順を新規採用・変更するとき、危険有害性に変化が生じる、またはそのおそれがあるときは、法令に基づく実施時期に当たります。新規採用や変更では、使用開始前に評価と必要な対策を進めます。労働安全衛生規則第34条の2の7

同じ物質を同じ条件・手順で使い続ける場合の見直し頻度は、一律に「毎年」と定められていません。従来から使用していて未評価の場合も計画的に評価し、状態に応じて確認しましょう。後述する年1回以内の措置・ばく露状況等の記録とは、別の話です。厚生労働省・実施時期のQ&A

1.製品と作業条件をそろえる

リスクアセスメントは、危険有害性と、実際にその影響を受ける可能性・程度を調べ、必要な対策につなげる作業です。

現場で、使用量、使用時間、頻度、温度、換気、作業者との距離、皮膚接触の可能性を確認します。通常作業だけでなく、容器交換、清掃、保守、こぼしたときの対応なども洗い出してください。SDSは物質の情報を伝えますが、自社の使い方までは判断してくれません。

2.適した方法でリスクを見積もる

公的な実施支援ツールとして、厚生労働省の「CREATE-SIMPLE(クリエイト・シンプル)」があります。SDSの情報と使用条件等を入力し、吸入・経皮吸収による有害性や火災・爆発等の危険性のリスクを見積もるための簡易ツールです。

使う際は、公式ページから最新版とマニュアルを取得し、入力条件を現場と確認します。推定結果であり、測定値ではありません。ばく露が大きくなる特殊な作業では過小評価の可能性があり、化学反応等のプロセスの危険性は別途詳しく評価する必要があります。CREATE-SIMPLE公式案内、最新版マニュアル

不明な入力値を、都合のよい数字で埋めないでください。供給者に情報を求め、ツールの適用範囲や評価方法に迷ったら、化学物質管理の専門家へ相談します。

3.保護具だけに頼らず、対策の優先順位を考える

法令で具体的な措置が定められている場合は、まず実施します。そのうえで、公的指針に沿って、次の順序で対策を検討します。

  1. 使用の中止や危険有害性の低い製品への代替、運転条件・形状の変更。
  2. 密閉化、局所排気装置、防爆構造などの設備による対策。
  3. 作業手順の改善、立入制限、作業管理・教育。
  4. 有効な保護具の使用。

これは公的指針の対策選定順序です。保護具を後回しにして、その間は無防備に作業してよいという意味ではありません。対策に時間がかかる場合の暫定措置も検討し、実施後はリスクが下がったか確認します。厚生労働省・リスク低減措置の説明、リスクアセスメントQ&A

4.濃度基準値と保護具の適合を確認する

濃度基準値が設定された物質を製造・取り扱う屋内作業場では、労働者のばく露を基準値以下にする必要があります。SDSに載っている学会等の許容濃度、作業環境の管理濃度、法令に基づく濃度基準値は、目的や適用が異なるため、同じ数値として扱わないでください。

厚生労働省の濃度基準値一覧で、物質名、適用日、8時間濃度基準値・短時間濃度基準値の有無を確認します。測定や評価が必要な場合は、作業環境測定機関等と方法を相談します。厚生労働省・濃度基準値と測定方法

手袋は「ゴム手袋ならよい」、呼吸用保護具は「マスクならよい」と判断できません。SDS、製品・保護具メーカーの情報、作業条件をもとに、物質に合う種類・材質、耐透過性、交換時期、装着方法を確認します。厚生労働省・保護具の確認資料

皮膚等障害化学物質等には、直接接触を防ぐ適切な保護具の使用義務があります。また、障害のおそれがないことが明らかでない物質については、関連する努力義務もあります。2026年1月から対象の定め方が改正されているため、古いGHS区分だけで判定せず、最新の告示・対象一覧を確認します。厚生労働省・皮膚等障害化学物質等の改正通知

健康管理・記録・教育を、対策と一緒に運用する

健康診断は、対象物を使う全員に同じ検査をする制度ではない

リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う業務に常時従事する労働者については、評価結果に基づき、関係労働者の意見を聴き、必要があると認めるときに、医師・歯科医師が必要と認める項目の健康診断を行います。

また、濃度基準値を超えてばく露したおそれがあるときは、速やかな健康診断と必要な措置が求められます。実施の要否、対象者、検査項目、頻度は、人事だけで決めず、産業医や健診機関の医師等と相談してください。厚生労働省・対象物健康診断ガイドライン

この健康診断と、一般健康診断や特別規則に基づく特殊健康診断は別の制度です。健康診断は、換気やばく露低減措置の代わりにはなりません。厚生労働省・対象物健康診断Q&A

記録の種類ごとに保存期間を確認する

記録の種類基本となる保存期間・注意点
リスクアセスメントの結果等次回の実施まで。ただし3年以内に再実施した場合も3年間保存
対象物健康診断の個人票原則5年間。法令上のがん原性物質に係るものは30年間
ばく露低減措置、ばく露状況、労働者の意見聴取等1年を超えない期間ごとに記録。原則3年間。がん原性物質のばく露状況・作業記録等には30年保存の規定あり

リスクアセスメント結果には、物質名、作業内容、評価結果、講じる措置等を記録し、関係労働者へ周知します。労働安全衛生規則第34条の2の8、厚生労働省・記録と健康管理の制度説明

2026年には、がん原性物質に該当しなくなった場合も、該当していた期間に作成した対象記録を作成から30年間保存する規定が整備されています。また、事業者がすべての事業を廃止して会社等を解散する場合には、対象記録の監督署への提出規定があります。物質の対象外化や事業廃止を理由に、記録を処分しないようにしましょう。2026年3月の改正通知、事業廃止時の改正通知

作業者へは「この作業で守ること」を伝える

雇入れ時や作業内容変更時の安全衛生教育では、化学物質の危険有害性、作業手順、保護具、事故時の措置など、必要な事項を扱います。2024年4月から、一部業種で認められていた教育項目の省略規定も見直されています。厚生労働省・新たな規制のチェックリスト

LABの実務提案として、SDSを配るだけでなく、使用する製品、避ける行動、設備と保護具、異常時の作業停止・退避・連絡を作業ごとに説明しましょう。教育日、対象者、説明内容を残し、交代要員や新入社員にも同じ情報が届く仕組みにします。

応急措置や漏出対応は、製品のSDSと現場の手順を確認します。一律に「水で洗う」「吸収材で回収する」と決めず、二次被害を防ぐ退避・連絡と、対応できる人の条件を事前に整理してください。

2026年の変更と、2027年以降の予定を分けて管理する

2026年10月時点で施行・適用済みの主な変更

時期主な変更自社で確認すること
2026年1月皮膚等障害化学物質等の定め方、事業廃止時のがん原性物質関係記録の提出規定対象一覧と保護具、長期記録の扱い
2026年3月31日がん原性物質に該当しなくなった場合の既存記録の保存規定過去の対象記録を廃棄しない
2026年4月ラベル・SDS・リスクアセスメント対象の拡大。制度説明では約2,900物質現在の対象物質・含有量基準で台帳を再確認
2026年4月一定条件下で、営業秘密に係る成分名を代替化学名等で通知できる制度成分が不明確なら、評価に必要な情報を供給者へ照会
2026年7月1日新規化学物質に関する所定の届出・確認申請等の電子申請が原則義務化新規化学物質を製造・輸入する会社は対象手続を確認
2026年10月1日濃度基準値の設定対象に78物質を追加等使用物質の新たな基準と測定方法
2026年10月1日個人ばく露測定関連の制度変更対象作業・測定の区分と実施者の資格・登録

4月の対象拡大は厚生労働省の2026年の説明、代替化学名制度は適用日と指針、10月の濃度基準追加は改正告示の通知で確認できます。

7月の電子申請は、新規化学物質の名称・有害性調査結果の届出や少量新規化学物質の確認申請などが対象です。購入した洗浄剤を使う会社が、単に「新製品を導入する」たびにこの申請を行うという意味ではありません。厚生労働省・新規化学物質の電子申請

代替化学名等は、すべての成分名を自由に伏せてよい制度ではありません。有害性が相対的に低い物質等について所定の条件があり、通知した事業者には実際の成分情報の記録・保存や、診断・治療のために医師が求めた場合の開示義務があります。厚生労働省・代替化学名等の通知マニュアル

個人ばく露測定は、作業者が吸い込む空気に含まれる物質の濃度等を把握する測定です。2026年10月の変更を「すべての化学物質作業で、直ちに一律の測定が必要」と解釈せず、作業と制度上の区分を確認します。委託時は、必要な講習・登録等を満たす実施者か確認してください。鳥取労働局・個人ばく露測定等の案内

2027年以降は、施行前に使用物質と照合する

今後の主な予定として、2027年4月1日のラベル・SDS等の対象物質追加、2027年10月1日の濃度基準値設定対象の48物質追加等、2028年4月1日のリスクアセスメント対象物36物質追加が公表されています。現在の対応と分け、台帳に「適用予定日」と「準備担当者」を記録しましょう。2027年4月の改正通知、2027年10月の改正通知、2028年4月の改正通知

皮膚等障害化学物質とがん原性物質の一覧にも、2027年以降に適用される物質が含まれています。リスクアセスメントの対象判定と併せて、保護具・長期記録への影響を確認してください。適用予定分を含む対象一覧

ラベル表示には、施行日に既に存在する物への経過措置が設けられる場合があります。ラベルの猶予を、SDS通知やリスクアセスメントの猶予と同じに扱わず、改正ごとに確認してください。

また、SDS通知義務違反に対する罰則は2030年4月施行と案内されています。罰則の施行前であっても、現在の通知義務がなくなるわけではありません。厚生労働省・改正法の説明

最初の一歩は、製品一覧を現場と共有すること

初めて担当する場合は、以下の順序で、未確認事項と対応担当者を明確にしましょう。これはLABの実務提案であり、法定の期限を延ばすための手順ではありません。

  • 使用・保管中の製品と、実際の作業を一覧にした。
  • 製品に一致する最新版SDSを入手し、不明点を供給者へ照会した。
  • 現在の対象物質・特別規則・濃度基準値等を確認した。
  • 化学物質管理者と、必要な場合の保護具着用管理責任者を確認した。
  • 作業ごとに評価し、対策・担当者・実施時期を決めた。
  • 労働者への周知・教育、健康管理、記録の保存を整理した。
  • 新製品、作業変更、SDS改訂、制度変更時の見直しルールを決めた。

危険性が高い、不明点が多い、ばく露を抑えられているか確認できない場合は、作業の安全確保を優先し、化学物質管理の専門家や労働基準監督署へ相談してください。厚生労働省・化学物質管理の相談窓口

人事担当者の役割は、現場・購買・管理者・専門家をつなぎ、未確認の製品や未実施の対策が残らないように進めることです。SDSを自社の作業と結びつけ、判断と対応の記録まで残すところから始めましょう。

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