外国人雇用の手続きと実務|在留資格・届出・育成就労への備え

外国人雇用の在留資格確認と届出、育成就労への準備をまとめた実務ガイド 就活採用

外国人を採用するとき、最初に確認するのは「自社で担当してもらう仕事」と「その人が許可されている活動」が一致するかどうかです。国籍だけで採用の可否は決まりません。在留カードを持っていても、どの仕事にも就けるとは限りません。

この記事では、中小企業の人事担当者が、採用判断、在留カード確認、雇用手続き、届出、入社後の管理を順番に進められるよう整理します。特定技能の受入れや、2027年4月1日に施行予定の育成就労制度を検討する場合の準備も扱います。

制度の確認日:2026年10月12日。 育成就労の将来のルールは「施行予定」「公表済み」として記載しています。法令上の義務、公的指針、ぼっち人事LABの実務提案は区別して読んでください。

1.外国人雇用は「担当業務を決める」ところから始める

採用から入社後管理までの流れ

予定業務の整理 → 在留資格と業務の照合 → 在留カード・就労可否の確認 → 労働条件の提示 → 契約・保険等の手続き → 外国人雇用状況の届出 → 職場・生活面の支援 → 在留期限と業務の継続確認 → 制度変更への対応

この順番にすると、「採用してから、予定していた仕事を任せられないと分かった」という問題を防ぎやすくなります。

まず、部署名や職名だけでなく、実際の業務、勤務場所、労働時間、雇用形態、入社予定日を書き出します。通訳として採用しても実際の仕事が別の作業中心なら、通訳という肩書だけでは就労できると判断できません。配置変更の可能性も含め、許可される活動と照合します。出入国在留管理庁:在留資格一覧表

LABの実務提案: 採用担当と現場責任者で「主な業務・付随業務・変更予定」を1枚に整理してください。判断に迷う仕事内容は、就労開始前に地方出入国在留管理局へ確認します。

日本にいる人の採用と、海外からの受入れを分ける

日本にいる人を採用する場合は、現在の在留資格で自社の仕事に従事できるか、変更許可が必要かを確認します。留学生の新卒採用や特定技能の転職では、必要な許可を受ける前に予定業務を始めさせないよう、入社日を調整します。

海外から受け入れる場合は、在留資格認定証明書の交付申請、査証申請、上陸手続き等を見込んで日程を組みます。査証、在留資格認定証明書、在留カードは役割が異なります。「ビザがあるから、入社後はどんな仕事もできる」という扱いはしません。必要書類と申請区分は、希望する在留資格の公式案内で確認します。出入国在留管理庁:在留資格から探す

2.在留カードは表裏・本人・許可条件を確認する

在留カード確認チェックリスト

採用選考では、予定業務に就ける在留資格や許可条件を確認します。カード現物の提示は、採用決定後、就労確認や届出事項確認の目的を本人に伝えて受けるなど、公正な採用選考に配慮してください。応募者全員に国籍を理由としてカードのコピーを一律提出させる運用は避けます。厚生労働省:外国人雇用管理指針

確認すること人事担当者の確認方法
本人との一致氏名、生年月日、顔写真等を本人と照合する
在留資格正式名称を記録し、予定業務と照合する
在留期間・満了日在留期間の満了日を記録する。新様式では券面にない在留期間を最新の読取アプリ等で確認する
カード自体の有効期限在留期間の満了日と区別する。永住者もカードの有効期限を管理する
就労制限の有無「就労制限なし」「在留資格に基づく就労活動のみ可」「就労不可」等の表示を確認する
資格外活動許可許可の有無だけでなく、包括・個別の条件、時間、業務範囲を確認する
申請中の状態裏面の申請記載、オンライン申請の受付情報等を確認する
指定された活動・機関特定活動・特定技能等は、旅券に添付された指定書なども確認する
番号・偽変造の確認カード番号、IC読取情報、失効情報照会を組み合わせる

2026年のカード様式変更にも注意が必要です。 6月14日以降に交付される新様式の在留カード・特定在留カードでは、在留期間などの一部が券面に記載されません。8月19日改修後の読取アプリでは、在留期間、許可の種類、許可年月日も確認できます。旧様式の見本だけを使わず、最新の公式案内に合わせてください。出入国在留管理庁:在留カード・読取アプリの案内

確認後は原本を本人に返します。確認日、確認者、就労範囲、期限を記録し、コピーを保管する場合も利用目的と閲覧権限を限定してください。特定在留カードのマイナンバーカード機能に関する情報は、在留確認と個人番号の取扱いを分けて管理します。

番号照会だけで、本物のカードと判断しない

公式の在留カード等番号失効情報照会では、カード番号とカードの有効期間の満了日を使って照会します。ただし、有効な番号を悪用した偽造カードもあるため、照会結果だけではカード自体の有効性や真正性を証明できません。本人照合、券面確認、IC読取を併用し、疑義があれば入管へ確認してください。出入国在留管理庁:失効情報照会の説明

期限を過ぎたカードでも、申請中の特例期間を確認する

在留期間内に更新・変更申請を行い、満了日までに処分されない場合は、原則として「処分がされた時」又は「満了日から2か月が経過する日の終了」の早い方まで、従前の在留資格で在留し、従前の活動を行える特例期間があります。

オンライン申請では、カード裏面に申請中の記載がない場合があります。受付情報等で申請状況を確認し、「裏面記載がないから不法残留」「申請中だから新しい仕事も始められる」と即断しないでください。出入国在留管理庁:特例期間とは

3.在留資格名と実際の仕事を照合する

中小企業の採用で間違えやすい区分

在留資格・区分採用判断で確認すること
技術・人文知識・国際業務自然科学・人文科学の知識を要する業務や、外国の文化に基盤を有する国際業務等。仕事内容と本人の学歴・職歴等を確認する
特定技能対象分野・業務区分、1号・2号、指定された機関、本人の技能・日本語要件、受入れ企業の基準を確認する
技能外国料理の調理など、産業上の特殊な分野の熟練技能を要する活動。「特定技能」とは別の資格
高度専門職高度の専門的活動。1号・2号の区分や指定機関等を確認する。転職時に変更許可が必要な場合がある
企業内転勤海外事業所から日本の事業所への転勤等の活動。国内の一般的な採用と同じ条件とは限らない
特定活動個人ごとに指定された活動。名称だけで就労可否を決めず、指定書の内容を確認する
永住者/日本人の配偶者等/永住者の配偶者等/定住者入管法上、活動内容の制限がない区分。各職種に必要な資格・免許や労働法のルールは別途適用される
留学+資格外活動許可学業が本来の活動。許可条件内の就労であり、通常の就労資格と同じ扱いにしない

この表は採用前の整理用です。個別の許可を保証するものではありません。「技術・人文知識・国際業務」の人を、職名だけ専門職にして恒常的に別の作業へ配置するなど、活動範囲から外れる運用は避けます。出入国在留管理庁:在留資格一覧表

「定住者」と「特別永住者」も別の区分です。また、入管上の活動制限がない人にも、労働時間・休日・最低賃金のルールは適用されます。

留学生のアルバイトは、掛け持ち分も合計する

留学の包括的な資格外活動許可では、原則として1週28時間以内です。掛け持ちしている場合も合計で確認します。学則で定める長期休業期間中は1日8時間以内という条件であり、「長期休暇なら週40時間という入管の特例」と説明しないようにしてください。労働基準法の労働時間・休日の規制は、これとは別に守る必要があります。

風俗営業等に係る活動は包括許可の対象外です。在学を前提とする許可なので、卒業・退学後も同じ条件で働けると思い込まず、在留資格と許可内容を再確認します。個別許可がある場合は、その条件に従います。出入国在留管理庁:留学の資格外活動許可

LABの実務提案: シフトを決める前に他の勤務先と勤務時間を確認し、変更時には申告してもらいます。自社の勤怠記録だけで上限内と判断しない運用にしてください。

就労資格証明書は、活動範囲を確かめるための任意の文書

就労資格証明書は、その人が行える収入を伴う活動等を証明する文書です。転職後の業務範囲が分かりにくい場合などに、本人から申請する方法があります。ただし、在留資格変更許可の代わりにはなりません。

就労できる活動が明らかな場合、証明書を提示・提出しないことだけを理由に不利益な扱いをしてはならないと、入管法第19条の2で定められています。全員の採用必須書類にはせず、必要性を個別に判断してください。出入国在留管理庁:就労資格証明書

4.労働条件を説明し、契約・保険の手続きを進める

法律上必要なことと、理解を助ける工夫を分ける

外国人にも労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法等が適用されます。国籍を理由に賃金、労働時間その他の労働条件について差別的に扱ってはいけません。e-Gov:労働基準法

採用時は、賃金、就業場所・業務とその変更の範囲、労働時間、休日、退職等の法定事項を明示し、必要事項を労働条件通知書等で交付します。有期契約では更新基準・更新上限等も適用に応じて確認します。電子交付は本人の希望等の要件を満たして行います。

最低賃金は、勤務地の地域別最低賃金や該当する特定最低賃金と発効日を確認します。時間は原則1日8時間・週40時間、休日は原則毎週1日又は4週間を通じ4日以上です。特例、変形労働時間制、時間外労働等を使う場合は、その制度の要件も確認してください。

母国語、本人が理解できる言語、やさしい日本語、図解等による説明は、外国人雇用管理指針が求める理解促進の配慮につながります。ただし、「すべての会社で全書類の母国語併記が一律の法定義務」とは説明しません。特定技能等の制度固有の説明要件は別に確認します。厚生労働省:外国人雇用管理指針・2026年10月1日改正版

LABの実務提案: 給与の額だけでなく、税・社会保険料・住居費等の控除、残業、休暇申請、相談先を説明します。本人に自分の言葉で確認してもらうと、署名だけでは分からない認識の違いを把握できます。

入社時手続きは、外国人固有の確認と通常手続きを並行する

手続き人事担当者が確認・記録すること
就労可否・必要な在留手続き予定業務、在留資格、許可内容、就労開始可能日
労働条件・雇用契約法定事項の明示、理解できる説明、交付した文書
健康保険・厚生年金事業所と本人の加入要件、資格取得届、必要な氏名情報等
雇用保険加入要件、資格取得届、外国人届出事項
労災保険・安全衛生労災の適用、安全教育、危険箇所、緊急連絡方法
給与・税務本人情報、扶養等の必要書類、個人番号の適切な取扱い
外国人雇用状況の届出対象・届出経路・期限、提出済み記録
制度固有の支援・届出特定技能の支援計画等、技能実習の認定計画等

外国籍という理由で社会保険・雇用保険から除外できません。一方、すべての人が無条件で健康保険・厚生年金へ加入するわけではなく、事業所、労働時間、雇用期間等の要件で判断します。労災保険は原則として労働者に適用されます。社会保障協定の適用が問題になる場合は、年金事務所等へ確認してください。日本年金機構:外国人従業員を雇用したときの手続き

通常の入退社の書類準備・社内調整は、中小企業の入社・退職手続きも参照できます。外国人固有の就労確認と届出は、このあと説明する条件で進めてください。

5.外国人雇用状況は、雇入れ時・離職時に届け出る

雇用保険の加入有無で、様式と期限が違う

外国人雇用状況の届出は、雇入れ・離職の際に事業主が行う義務です。対象から除かれるのは、在留資格「外交」「公用」の人と特別永住者です。「永住者」は届出対象です。雇用保険に加入しないアルバイト等も、対象者なら届出が必要です。

区分届出方法雇入れ時の期限離職時の期限電子申請
雇用保険被保険者資格取得届・資格喪失届に外国人届出事項を記載雇入れの翌月10日まで離職日の翌日から起算して10日以内e-Gov
雇用保険被保険者でない人外国人雇用状況届出書・様式第3号翌月末日まで翌月末日まで外国人雇用状況届出システム

この表の期限は、厚労省の「外国人雇用状況の届出」の案内に沿った表記です。提出先は管轄ハローワークです。雇用保険資格の取得・喪失の手続きも併せて、該当する事由と期限を確認してください。厚生労働省:外国人雇用状況の届出

届出事項と、提出済みの記録を残す

在留カード・旅券等の提示を受け、氏名、在留資格、在留期間、生年月日、性別、国籍・地域、資格外活動許可、在留カード番号、雇入れ・離職年月日等を確認します。特定活動の指定活動等、資格・様式に応じて必要な事項も、現行の様式と記入案内で照合してください。

在留カード等の写しを、ハローワークの届出へ添付する必要はありません。電子申請の経路は上の表のとおりで、従来紙で届け出ていた事業主が雇用保険被保険者でない人の電子届出へ切り替える場合には、切替・変更申請が必要となる案内があります。

LABの実務提案: 入社・退職の管理表に「対象か」「様式」「期限」「提出日」「受付記録」の欄を設けます。2027年4月1日以降の様式も公表されているため、提出時点で使う様式を確認し、将来様式を前倒しで使わないようにしてください。厚生労働省:様式・電子申請の入口

入管への所属機関等の届出は、別に確認する

ハローワークの外国人雇用状況届出と、入管法上の届出は別です。「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」等の対象資格では、契約の終了・新たな契約の締結等について、本人が事由発生から14日以内に所属機関等に関する届出を行う必要があります。対象や届出内容は在留資格によって異なります。転職と同時に在留資格変更許可を受けた場合など、別途の転職届出が不要となる場合もあるため、許可手続きとの関係も確認してください。出入国在留管理庁:所属機関等の届出Q&A

会社による一般の「所属機関による届出」には、努力義務としての位置づけや、外国人雇用状況届出が義務付けられる機関の除外があります。さらに、特定技能の受入れ機関には制度固有の届出義務があります。「会社がハローワークへ届けたから、本人や特定技能の入管届出も完了」と扱わないでください。出入国在留管理庁:所属機関による届出

6.特定技能は、本人の要件と会社の受入れ体制をセットで確認する

特定技能1号・2号の違い

項目特定技能1号特定技能2号
技能の位置づけ相当程度の知識又は経験を必要とする技能熟練した技能
在留期間個々に指定される期間は3年以内。通算原則5年以内3年・2年・1年又は6月。通算の上限なし
家族帯同原則認められない要件を満たす配偶者・子の帯同が可能
1号支援計画作成・実施が必要1号と同じ支援計画の対象ではない

2号は、1号で一定期間働けば自動的に取得できる資格ではありません。分野ごとの試験、実務経験等の要件を確認します。通算在留期間の例外も個別条件があるため、1号の原則5年を超える扱いが必要なときは公式案内へ進んでください。出入国在留管理庁:在留資格「特定技能」

分野数は「公表方針」と「受入れ開始」を分けて読む

2026年に公表された分野別運用方針では、特定産業分野は19分野、育成就労産業分野は17分野です。特定技能の19分野は、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、物流倉庫、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業、資源循環です。出入国在留管理庁:分野・業務区分一覧

ただし、方針が決まったことと、その分野・業務で申請・受入れができることは同じではありません。 受入れ可能分野の案内は2026年6月1日現在として17分野を掲載しており、追加分野には省令等の準備条件も示されています。物流倉庫・資源循環などを検討する場合は、告示の公布だけで判断せず、施行、試験、業務区分、申請書類、受入れ開始の公表状況を分野所管省庁・入管で確認してください。出入国在留管理庁:分野別情報、基本方針・分野別運用方針

特定技能2号の対象は11分野で、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業です。同じ分野でも2号の対象業務は個別に確認します。出入国在留管理庁:特定技能2号の仕事内容

登録支援機関へ委託しても、雇用主の義務は残る

特定技能1号では、1号特定技能外国人支援計画を作成し、計画に沿って支援します。義務的支援は、事前ガイダンス、入出国時の送迎、住居・生活契約の支援、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行等、日本語学習機会、相談・苦情対応、日本人との交流促進、会社都合の契約解除時の転職支援、定期面談・行政機関への通報の10項目です。

登録支援機関へ全部又は一部を委託できますが、適正な雇用契約、同等の業務を行う日本人と同等以上の報酬、法令遵守、必要な届出、分野別の受入れ基準等の会社の責任は残ります。支援に必要な費用を本人へ負担させる前提で受入れを組まないでください。出入国在留管理庁:1号特定技能外国人支援

LABの実務提案: 契約前に「自社担当・委託先担当・実施時期・費用負担・記録の保管先」を決めます。一般の外国人社員への任意の生活支援と、特定技能1号の義務的支援を混ぜないでください。

転職と2027年の支援体制変更も確認する

特定技能の人が所属機関を変更する場合は、在留資格変更許可申請が必要です。新しい会社の要件や業務との適合も確認し、変更許可前に新会社の特定技能業務を始めさせないようにします。出入国在留管理庁:特定技能の在留手続き

2027年4月1日には、支援責任者の事業所ごとの選任や養成講習等に関する改正も施行予定です。講習修了義務には当分の間の経過措置が公表されています。「施行日までに全員が講習を終えなければ受入れ不可」と一律に説明せず、最新の対象・経過措置を確認してください。出入国在留管理庁:特定技能制度における養成講習

7.技能実習は現行制度として存在し、経過措置がある

2026年10月12日時点で、技能実習制度は現行制度として存在しています。技能移転を通じた国際貢献を目的とし、認定された技能実習計画に沿って実施する制度です。育成就労の施行が予定されていても、すでに廃止済みとは書けません。

2027年4月1日時点ですでに技能実習を行っている人などは、経過措置の条件を満たせば技能実習を継続できます。施行前の新規受入れでは、技能実習計画の認定申請日、認定、在留資格認定証明書の申請・交付、入国・開始日をまとめて確認します。

公表資料は、2027年3月31日までの計画認定申請と、原則6月30日までの開始・入国等を示しています。ただし、在留資格認定証明書の交付時期による例外もあるため、6月30日を全員共通の絶対期限として処理しないでください。出入国在留管理庁:技能実習の経過措置

1号から2号、2号から3号への移行にも条件があります。特に3号は、施行日時点で2号の活動を1年以上行っていること等が必要です。本人ごとの活動開始日と計画を確認してください。技能実習2号を良好に修了した人の特定技能1号への移行も、職種・作業との関連性等の条件を確認します。出入国在留管理庁:育成就労Q&A・技能実習生の今後

8.育成就労は2027年4月1日施行予定。準備はすでに始まっている

技能実習・特定技能・育成就労をどう使い分けるか

制度目的・位置づけ会社が先に確認すること
技能実習技能移転による国際貢献。現在も運用中認定計画、実習内容、継続・移行の経過措置
特定技能一定の技能を有する人による人手不足分野への対応対象業務、本人の要件、適正契約、1号支援等
育成就労原則3年間の就労を通じ、特定技能1号水準の人材を育成・確保。2027年4月1日施行予定育成計画、育成・支援体制、監理支援機関、分野別・国別の条件

育成就労はすべての外国人採用を置き換える制度ではありません。「技術・人文知識・国際業務」や「永住者」等による採用まで一律に切り替わるわけではなく、技能実習も経過措置の下で継続する場合があります。出入国在留管理庁:育成就労制度の概要

育成就労計画と受入れ体制を先に整える

育成就労では、外国人ごとに、期間、技能・日本語の目標、業務内容等を記載した育成就労計画を作成し、認定を受けます。受入れ企業には、労働・社会保険・租税に関する法令遵守、人数枠、責任者・指導員・生活相談員等の体制、待遇の説明、分野別協議会等への加入、分野独自の基準などが求められます。

監理型の受入れで使う「監理支援機関」は許可制です。技能実習の「監理団体」が名前を変えるだけで自動的に移行できるわけではありません。また、特定技能の「登録支援機関」とも役割・手続きが異なります。

計画は、実際に任せる仕事と育成内容が一致するよう作ります。旧技能実習の条件をそのまま転記せず、人数枠や講習、分野別の上乗せ基準も確認します。外国人技能実習機構:計画認定施行日前申請、監理支援機関許可

日本語・技能の目標は、段階ごとに違う

公表された育成就労の枠組みでは、就労開始前に日本語能力A1相当以上の試験合格又は相当する講習の受講が必要です。開始後1年時、本人意向の転籍時、育成終了時では、技能・日本語能力の目標が異なります。

一般的な枠組みでは、本人意向の転籍時はA2.1相当以上、育成終了・特定技能1号への接続はA2.2相当以上等の日本語水準が示されていますが、分野による上乗せがあります。技能試験も分野別に確認してください。3年間働くだけで特定技能1号へ自動移行する制度ではありません。出入国在留管理庁:分野別人材基準

LABの実務提案: 採用予算には日本語教育、指導担当者の時間、試験準備、生活相談の費用も含めます。「日本語が上達すればよい」という目標ではなく、必要な試験と受講機会を計画に落とし込んでください。

転籍は、やむを得ない事情と本人意向を分けて確認する

育成就労では、やむを得ない事情による転籍に加え、一定条件の下で本人意向による転籍も認める枠組みが公表されています。本人意向の場合は、同じ業務区分、分野ごとの転籍制限期間、技能・日本語水準、転籍先の要件等を確認します。

転籍制限期間は、分野によって1年から2年の範囲で設定されます。受入れ人数や転籍先・元の費用負担等の条件もあるため、「いつでも自由に会社を変えられる」「3年間は一切転籍できない」のどちらにも一般化しないでください。出入国在留管理庁:育成就労制度概要・転籍の枠組み

施行前申請は、種類と対象を取り違えない

施行前の手続き受付開始日申請する人・準備するもの
監理支援機関の許可2026年4月15日監理支援事業を行う機関。許可基準・送出機関等を確認
育成就労計画の認定2026年9月1日育成就労を行わせる受入れ企業等。外国人ごとの計画・認定基準・分野別書類等を確認

受付先は外国人技能実習機構です。計画の施行前申請は、原則として育成就労開始予定日の7か月前から5か月前までに行う案内です。施行前申請が始まっていても、育成就労としての実際の受入れは2027年4月1日の施行予定日以降です。出入国在留管理庁:施行日前申請、外国人技能実習機構:運用要領第4章

分野別協議会への加入方法、上乗せ基準、審査基準、国によって必要となる推薦状等を確認します。未公表の資料や必要書類の不足によって、審査が保留される場合があるため、受付開始だけで準備完了とは考えないでください。

行政手数料・委託費・送出し費用を分けて見積もる

育成就労計画の認定申請手数料は、確認時点の運用要領で1件6,100円とされ、機構の口座へ払い込みます。監理支援機関の許可等は別の手続きです。民間の監理・支援・紹介等の委託費とも区別してください。外国人技能実習機構:計画認定の手数料・申請案内

送出しについては、原則として二国間取決めを作成した国からの受入れなど、国別の条件を確認します。本人が送出機関へ支払う費用の上限を所定内月額の2か月分とし、超える部分は受入れ企業又は監理支援機関が負担するルールも公表されています。本人に保証金を求めたり、不明な費用を転嫁したりする前提で契約しないでください。出入国在留管理庁:育成就労Q&A・二国間取決め関係

9.入社後も、在留期限・業務・労務管理を確認する

在留期限の管理表は、二つの期限を分ける

LABの実務提案: 管理表には「社員番号/在留資格/許可された業務/在留期間満了日/カード有効期限/資格外活動条件/申請状況/次回確認日/担当者」を設けます。毎月、期限が近い人を確認し、満了3か月前など自社で決めた時点に本人へ手続きの状況を確認します。この頻度は、全企業に一律に課された法定の確認間隔ではありません。

更新後は新カードと許可内容を確認し、管理表を更新します。申請中なら受付日・特例期間・処分結果を追い、申請したという申告だけで管理を終えないでください。永住者は在留期間の満了がなくてもカードの更新が必要です。

配置・副業・勤務時間の変更も再確認する

採用時に適合していた仕事でも、異動、業務変更、勤務時間増加、掛け持ち勤務等で許可条件に抵触する可能性があります。現場から人事へ変更情報が届く仕組みを作り、必要な許可・届出を就労開始前に確認します。

生活支援は本人の希望を確かめ、住居、行政窓口、日本語学習、医療、相談先等を案内します。特定技能の義務的支援や技能実習・育成就労の計画上の支援は、その制度の基準に従います。国籍や文化を理由に「この人はこう考えるはず」と推測せず、本人に確認してください。

外国人雇用で避けるべき運用

  • 在留カードがあれば、どの仕事にも就けると判断する。
  • 期間満了・申請中の状態・許可条件を確認しない。
  • 留学生の掛け持ち時間を確認せず、自社分だけで上限判定する。
  • 外国籍を理由に最低賃金や社会保険の適用から外す。
  • パスポートや在留カードの原本を会社で預かり続ける。
  • 退職したら定額の違約金を払わせるなど、労働契約違反の賠償額を予定する。
  • 保証金契約等のある不適正な仲介・受入れを利用する。
  • ハローワークへの届出と、本人・受入れ機関の入管届出を同じ手続きとして扱う。

旅券・カードを保管しないよう求める外国人雇用管理指針と、労基法第16条の違約金・損害賠償予定の禁止、制度固有の保証金等の禁止基準を区別して確認します。厚生労働省:外国人雇用管理指針、e-Gov:労働基準法

不法就労をさせた事業主は、不法就労助長罪の対象となる場合があります。就労範囲を知らなかったという理由だけで、確認の過失が免責されるわけではありません。カード、業務、期限、資格外活動の条件を確認し、迷うときは公的窓口へ相談してください。e-Gov:入管法第73条の2

10.迷ったときの公的相談先と、今日着手すること

在留資格と業務の適合、在留手続き、申請中の就労可否は、地方出入国在留管理局や外国人在留総合インフォメーションセンターへ確認します。外国人雇用状況届出・雇用保険はハローワーク、労働条件・安全衛生は労働基準監督署等、社会保険は年金事務所等、技能実習・育成就労の計画・監理支援機関等は外国人技能実習機構が相談先です。

特定技能・育成就労の分野別基準は、分野所管省庁の窓口も確認してください。出入国在留管理庁:適正な外国人雇用推進・相談案内、厚生労働省:外国人の雇用

今日の着手は、次の3点です。

  1. 採用予定業務を具体化し、候補者の在留資格と許可条件に合うかを確認する。
  2. 入社・退職手続きに、外国人届出の対象・経路・期限・受付記録の欄を加える。
  3. 在留期限と業務変更の管理担当を決め、特定技能・育成就労を使う場合は支援・育成の体制と費用を確認する。

育成就労を検討する企業は、2027年4月の直前まで待たず、すでに公表されている施行前申請、分野別基準、経過措置を確認してください。この記事の確認日は2026年10月12日です。申請・採用・公開更新の時点でも、リンク先の最新資料を照合してください。

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